学習障害 ( LD ) の子ども

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学習障害(LD)とは?

Learning Disabilities  を省略して、太字の頭文字だけをとり「LD」 と呼ばれ、

日本では「学習障害」とも言われています。

「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」等の学習能力のうちのどれかが、習得に難しさを抱えていることを言います。

学習障害は、脳内の情報処理機能のどこかに不具合があることが原因で、学習上に困難が生じます。

文字は読めるのに、字を書くことができなかったり、計算はできるのに、文章問題になると途端にわからなくなったりするのは、本人の努力が足りないとか、取り組む姿勢がいい加減だから、といった理由なのではありません。

すべて、脳の情報処理機能の一部が、うまく働いていないことによるものです。

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学習障害(LD)の特徴と具体的な症状

学習障害の特徴

通常どんな子どもでも、得意なことや苦手なことがあるものですが、

学習障害の子どもの場合、得意なことと、苦手なことの落差が極端に大きいのが特徴です。

 

頑張れば苦手を克服できる普通の子に対して、

学習障害を抱えている子どもは、本人がいくら頑張っても、簡単に苦手を克服することはできません。

 

一般的に、知能検査をしても知的な遅れがないのも特徴で、就学する前に気づかれるケースはあまりありません。

就学してから、子どもが学習上に極端な困難さを抱えていることに気が付き、学習障害であることが分かるケースがほとんどです。

 

学習障害の具体的な症状

 

「聞くこと」の難しさ

・集中が途切れるので、全体指示や説明をよく聞くことができない。

・話を聞いていても、話の内容を理解することが難しい。

・記憶の保持が弱いため、長い質問を覚えていられない。

 

「話すこと」の難しさ

・話したいことがあっても、順序立てて上手く話すことができない。

・話しているうちに、話がそれてしまう。

 

「読むこと」の難しさ

・文章の文字を飛ばして読んでしまう「読み飛ばし」や、似ている文字同士を読み違えて読んでしまう。(「シ」と「ツ」、「あ」と「お」、「わ」と「ね」等)

・音読がスラスラできずに、つっかえてしまう。

・読むことはできても、文章の内容を理解することが難しい。

 

「書くこと」の難しさ

・文字を鏡に映したように反転して書いてしまう「鏡文字」になる。

・ひらがなやカタカナの 細部が正しく書けない。

・ノートのマスや行に収めて書こうとしても、文字がはみ出してしまう。

・ひらがなやカタカナは書けるが、漢字になると正しく書けない。

・黒板の文字を書き写すことができない。

 

 

「計算すること」の難しさ

・すでに数えたものをもう一度数えてしまうなど、数え間違いが多い。

・簡単な足し算・引き算でも、指を使わないと計算できない。

・足し算や引き算はできても、掛け算・割り算になると分からなくなる。

・ひっ算の位取りができない。

 

 

「推論すること」の難しさ

・数字を見て、その量や大きさを想像することが難しい。

・文章問題から式を立てることが困難である。

・空間をイメージする力が弱いため、立体図形の問題が理解できない。

 

 

 

このように、学習で子どもがつまづくのは、脳内の情報処理の一部がうまく働いていないことが原因です。

決して練習が足りなかったり、不真面目な態度で取り組んでいたりするわけではないので、子ども本人を責めるような言い方をすると、子どもがとても傷ついてしまいます。

やる気や自信をなくすような注意や叱り方ではなく、

小さな部分でもいいので、よいところを見つけてほめてあげたり、励ましてあげることが大切です。