自閉症スペクトラム障害の子ども

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自閉症スペクトラム障害とは?

「自閉症スペクトラム障害」とは、対人関係をうまく調整することが難しかったり、言葉の発達に遅れがあったり、こだわりが強く興味関心が狭かったりするなどの特性がある障害です。

 

知的障害をあわせもつことが全体の7~8割程度あります。

知的な遅れを伴わない場合は「高機能自閉症」と呼ばれ、そのうち言葉の発達に遅れがない場合は「アスペルガー症候群」と呼ばれます。

ひとくちに「自閉症」と言っても、「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」など、多様な自閉症の様態があります。

しかし、それぞれの障害に境界線を引くのが非常に難しいため、最近ではそれらをひとくくりにして「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれるようになりました。

 

「スペクトラム」とは?   

「連続体」という意味で、病気の一連のつながりとして「ひとつの集合体」として捉えます。「自閉症スペクトラム障害」の中に、「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」などが含まれます。

 

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自閉症スペクトラム障害の子どもの症状

 

自閉症スペクトラム障害の子どもには、具体的にどのような症状が見られるのでしょうか?

以下の項目を見ていきましょう。

 

対人関係をうまく調節することが難しい

自閉症スペクトラム障害の子どもの中には、相手の気持ちや場の状況など、目に見えないものを想像する力が弱い子がいます。相手の表情から気持ちをくむことが苦手だったり、言われた言葉で相手がどう思うか想像することが苦手だったりするため、対人関係をうまく調節することが難しく、コミュニケーションの取り方に独特さが見られます。

 

普通に話しているつもりなのに、相手を怒らしてしまうことも・・・

≪対人関係の難しさの具体例≫

・あやしても反応が鈍く、人への興味関心が弱い。

・人見知りをしない、後追いをしない。

・見たままや思ったままのことを、そのまま言ってしまう。相手が嫌がることを悪気なく言ってしまう。

・会話で皮肉や冗談や比喩が分からず、言葉通りに受け取ってしまう。

・集団の中で孤立する、友達との仲を深めることができない。                  

 

いずれにしても、相手を不快にする言葉を言ってしまったり、相手の気持ちを理解することが難しいのは障害の特性によるもので、本人に悪意はありません。

子どもに「どうしてそんなひどいことを言うんだ」「相手の気持ちを考えなさい!」など叱りつけると、子どもの心を傷つけてしまい、「どうせぼく(私)は、ダメな人間なんだ・・・」と自己肯定感を下げてしまうことになってしまうので、厳しい叱責はさけるようにしましょう。

 

こだわりが強く、いつもの手順以外に適応することが難しい

自閉症スペクトラム障害の子どもの中には、自分の決めたルールやいつもの順番に強いこだわりがあり、自分の予想通りにいかないと、イライラしたり不安になってパニックを起こす子どもがいます。

そのような子は、いつもの決まったパターンや型にはまった行動をすることで、次にどうなるか予想ができるので安心できます。

しかし、予定が変更になると、次に起きることが予想できなくなるので、強い不安を抱きます。

その強い不安に耐え切れなくなると、頭を床や壁に打ち付けたり、大声を出して暴れたり、物を壊すなどのパニック状態に陥ってしまいます。

≪こだわりの強さの具体例≫

・リモコンを置く場所や、ミニカーの並べ方など、置き方がいつもと同じであることに強いこだわりがある。

・通る道順が、いつもと同じ道であることにこだわる。

・家に帰宅してから、やることがいつもお決まりのパターンがある。自分なりの手順があって、その通りにしたがる。

・急な予定変更があると、強い不安に苛まれる。パニックを起こして頭を打ち付けたり、暴れたりすることがある。

 

こうした、こだわりの強さの特性が見られるのも、もともと脳の機能障害が原因ですので、決して子どもが自己中だったり、わがままだったりするのではありません。

急な予定変更を無理に受け入れさせると、子どもは不安を強く感じて、パニックを起こしやすくなってしまいます。