通知表の所見例文30選!小学校・特別支援学級・算数の書き方を紹介

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今回は、特別支援学級の算数科『通知表の所見例文の30選』をご紹介します。その子にぴったり合った所見を書いてあげたいけど、「具体的に何をどう書けばいいのか分からない」という方は、文例を参考にしてみましょう。

算数科の内容において、特別支援学校学習指導要領解説に以下のように記されています。

4 内容(第2章第1節第2款第1[算数 )]
(1) 内容構成の考え方
内容は「数量の基礎 、 及び数と計算」 「量と測定」 「図形・数量関係 」「実務」の4つの観点から示している。

出典:特別支援学校学習指導要領解説 総則等編(幼・小・中) p.293

特別支援学級の算数の学習でよく取り組む「金銭」「時計」「暦(カレンダー)」などは、上記の項目の中の「実務」にあたります。

 

※「金銭」に関しては学習指導要領解説で以下のようにも説明されています。

金銭に関する実務について,小学部では,生活科において取り扱うが,必
要に応じて,生活科の指導内容との関連を図り,算数科で取り上げて指導す
ることも大切である。

出典:特別支援学校指導要領解説 総則等編 p.299

金銭の学習は、具体的な金額の計算などについては、算数科で取り扱うことになります。金銭は生活科や生活単元との関連も深いことから、子どもの障害の特性や実態に合わせて、具体的な指導内容を設定することになります。

算数科と生活科の関連を図りながら指導を進め、それぞれの児童に合わせた評価を行いましょう。

今回の記事が、あなたの通知表の所見作成のヒントになりましたら幸いです。

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通知表の所見例文「数量の基礎、数と計算」

数量の基礎、数と計算

  • 指示された数だけ色をぬる学習では、やり方を教えてあげると確実にできるようになってきました。1から5までの数も正しく読み、丁寧に数字を書くこともできます。

 

  • 足し算と引き算の学習では、タイルなどの具体物を用いて根気強く取り組みました。「これは何算かな?」「タイルをとるのかな?それとも、タイルをがっちゃんこするのかな?」など聞きながら一緒に取り組んであげると、自分でタイル操作をして5までの足し算と引き算の答えを出すことができました。

 

  • 2桁の数の構造をとてもよく理解しています。「23」という数字をみて、10のタイル2本とバラのタイル3個を並べたり、タイル図を見て数字に表したりすることも間違えることなく行うことができます。教師の発問に対して自分から挙手をして発表する姿は、自信に満ちていました。

 

  • 繰り上がりのある足し算は、タイルやおはじきなどの具体物を用いると答えを出すことができるようになりました。今後はタイル・おはじきとりゲームなど遊びを取り入れて、楽しみながら引き算にも取り組んでいきたいと思います。

 

  • 1から100までの順序数がわかり、逆の順番で数詞を言うこともできます。数唱だけでなく、具体物と数詞を一対一対応させる計数も、間違いなく正確に行うことができます。

 

  • カレンダーの暦や電車の時刻表の数字を見るのが大好きな●●さんなので、数字に対する理解力がとても高いことに感心しました。

 

  • 絵カードを使って「リンゴとミカン」「車と自転車」などの関連のあるカードに注目して、仲間分けをすることができました。また、お友達一人に一枚ずつお皿を配るなど、具体物の一対一対応が正確にできました。

 

  • ボーリングゲームは毎回楽しみにしていて、倒したピンの数の合計を足し算で求めることができました。繰り上がりの足し算も、タイル操作をすることなくできるようになってきています。負けるととても悔しがるので、順位は発表せず、全員がんばったご褒美シールをもらうことで気持ちが満たされています。

 

  • 答えが20までの足し算・引き算に取り組みました。足し算は間違いがありませんが、引き算になると「取った数」と「残った数」の区別がつかなくなることがあるので、本人が好きなお店屋さんごっこを通し、『机にならべたケーキからお客さんが買った分を袋にいれると、残りはいくつ?』というように、取る分を袋に入れて見えなくするようにすると、楽しみながら理解することができました。

 

  • 苦手だった文章問題のドリルに粘り強く取り組んだことで、+や-や=を使った立式が立てられるようになりました。●●さんの努力した成果が表れてきて、うれしく思います。

 

  • 『かけ算九九の歌』で教科書や映像を見ながらかけ算九九の練習をしています。答えが入っていない「かけ算九九をおぼえよう」のページでも自主的に練習しています。その成果が出て唱えられる段も増えてきて、自信をもって発表することができました。これからも、じっくり楽しく続けていきましょう。

 

  • 3×6の文章題を6×3と表してしまう間違えがあり、式の意味の理解があいまいな様子が見られました。しかし、考える手がかりを示すと自分で考え直すことができます。整数の四則計算はほぼ習得できました。わり算で2桁や3桁の数で割る計算は未収得なので、今後の課題になります。

 

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通知表の所見例文「量と測定」

  • 粘土で作ったヘビ等を直接並べて長さ比べをしました。友達の中で一番長いヘビを作ろうと楽しんで作りました。「長い」「短い」「中くらい」の表現を使って、長さを比べることができました。

 

  • おはじきゲームでは、飛ばしたおはじきの距離を「〇cm」まで測ることができました。今後はより正確に測ることを繰り返しながら、ミリメートル(mm)という単位を理解して「〇cm△mm」を読み取れるようにしていきたいと思います。

 

  • 形が異なる2つのコップに入った水の量を比べて、どちらが多いか予想して測定する学習をしました。見た目で多い・少ないを予想したコップの水が、実はどちらも同じ量だった時「すごい!」と身を乗り出して興味を示していました。メジャーカップやメスシリンダーで水の量を測る時、目盛りをのぞきこむ表情はとても真剣でした。

 

  • 10dL=Lを手がかりにして、dL・Lの単位をそろえて加法・減法をしました。単位を換算することに時々、混乱するようでしたが、分からない時は自分から教師に質問することで、最後まであきらめずに課題に取り組む姿が立派でした。

 

  • 上皿はかりを使って、教室にあるものの重さを量りました。細かい目盛りを読むことは時々支援が必要でしたが、「10g」「20g」などぴったりであれば自分で読み取ることもできました。「100gぴったりゲーム」では、とても意欲的になり、絵本や筆箱やえんぴつなどを用いて、最後は1円玉で1gずつ微調整を行い、「先生、100gぴったりになったよ!」と目を輝かせて報告してくれました。

 

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通知表の所見例文「図形・数量関係」

  • 形の捉えは正確です。複雑なペグさしも最近はよく見て正しく模倣することができるようになりました。三角と四角の言葉を時々混同することがあるので、積み木の片づけを一緒に行うときに「さんかく」「しかく」と繰り返し言いながら片付けることで、形と言葉の定着をはかっていきたいと思います。

 

  • 三角形2枚を使って見本と同じ形を作る学習をしました。2枚でできた形を見ただけでは、向きやあわせ方を捉えることが難しいようです。一枚ずつ提示して同じ形になったことを確認し、2枚目を合わせるようにしながら学習しています。

 

  • □や△をかくとき、手首が回旋しないことや目で手の動きを追い続けていないことにより、角が丸くなってしまいます。手首をやわらかくする運動や、線を目でたどる「線めいろ」で追従性眼球運動を取り入れて、丁寧に指導を続けていきたいと思います。

 

  • 2枚の三角形を使って見本と同じ形を作ることは正しく行えました。三角形を3枚使って模倣することはまだ間違えることがあります。見本を注意深く見れば気が付くこともできるので、今後の課題で取り組んでいけばきっと身に付いていくでしょう。

 

  • 定規を使って、鉛筆で点と点を結ぶときにずれてしまうことがありますが、直線とはどういうものかを理解しています。慎重に丁寧に取り組むことで、支援をしなくても自分でまっすぐに線を書くことができました。

 

  • 分度器の扱い方と角度を測り方を学習しました。多少の誤差は出てしまいますが、角度を測ることに興味があり、意欲的に取り組むことができました。また、紙で作った三角形の3つの角を切り取って合わせて直線(180°)になることを確認できました。「どんな形の三角形でも3つの角をあわせると180°になるの?」とその面白さに気が付き、楽しんで学習に取り組みました。

 

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通知表の所見例文「実務」

  • 時計を見て、時刻を正確に読むことができます。長針が文字盤の数字ちょうどの時刻(5分、10分、15分等)だけでなく、11分、24分、58分等の1分刻みの目盛りも正確に捉えることができました。

 

  • 日頃から時計を意識して生活をしていて「〇分になったら給食だね。」「△分に休み時間が終わるね。」と時刻を意識したつぶやきが多いです。時刻を読む力が十分に身に付いています。時計の長針と短針を書く問題も正確に答えることができました。

 

  • 長針が指す目盛りに1分単位で数字がふってあれば、「〇分」と読むことができました。「〇時58分」等読み間違えやすい時刻もありましたが、声かけをしながら一緒に時計の針に注目するとじっくり考え直すことができました。

 

  • カレンダー作りに取り組みました。見本を見ながら、曜日と日付を正確に書き込みました。「きのう」「きょう」「あした」の区切りをその日あった出来事と結び付けて理解することができています。「あしたの次の日」は「あさって」であることを学習すると、すぐに身に付きました。

 

  • 本物のお金で「自動販売機」でジュースを買う体験から学習を始めました。6種類の硬貨を色別のお金板(一、十、百の位の部屋)に分けて全部でいくらになるのかを数えたり、1円玉が5枚で5円玉に変身したり、5円玉が2枚で10円玉に変身することは、タイルの学習(5のかたまり・10のかたまり)と同じ考え方だということに気がつくことができました。

 

  • 128円のお金を5円玉も使って用意できました。50円玉と10円玉がまじっている金額はまだ迷うときがありますが、10円が10枚で100円、100円が10枚で1000円の変身がわかりました。

 

  • 10円玉と100円玉の硬貨の識別ができるようになりました。お買い物学習が大好きで、いつも楽しみにしていました。10円単位や100円単位であれば、商品の値段を見て、財布の中から必要な硬貨と枚数を正しく選んで支払うことができて、とても自信に満ちていました。

 

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通知表の所見に役立つ!おすすめ書籍の紹介

「通知表の所見を書こうとすると、手が止まってしまう…」という悩みがある方には、所見文例集の書籍もおすすめです。

以下、おすすめ書籍を紹介していきます。

特別支援教育における3観点の「学習評価」通知表の文例集と記入例

新学習指導要領にともなう3観点の「評価」文例集です。小中高すべての各教科・段階別にのっていてかなり参考になります!

文例も具体的でわかりやすく、たくさん載っているので、とっても役立って助かりますよ。

「特別支援学級の担任がはじめて」「所見に何を書いたらいいのかわからない…」という悩みがある方には、間違いなく大活躍するおすすめの1冊です^^

「どの子も輝く!通知表の書き方&所見文例集」シリーズ

こちらも新学習指導要領に対応。低学年・中学年・高学年とシリーズがあり、文例がたくさん載っていて、とても参考になるお役立ち良書です。

文例をもとにして、所見をかく子どもをイメージしながら、自分なりの言葉や言い回しにして書くと確実な所見に仕上がりますよ。^^

▼小学校【低学年】用▼

▼小学校【中学年】用▼


▼小学校【高学年】用▼

 

 

一人ひとりに書く所見は、時間がかかって、とっても大変ですよね。

そんなとき所見の文例集があれば、かなり助かります。すでに持っている先生方も多いことでしょう。

気になる書籍があれば、本屋さんで探してみてくださいね。^^

本屋さんへ行く時間がない方は、すぐに手に入るネット購入がおすすめです!


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