自閉症の子を育てていると、
と、悩みや不安がつきないことがありますよね。
市販のおもちゃでは刺激が強すぎたり、逆に飽きてしまったりすることも少なくありません。
そんなときにおすすめなのが、家で作れる自閉症の子が落ち着く手作りおもちゃです。
今回は、自閉症の子が落ち着くおもちゃ手作り10選をご紹介します。
100均で用意できるものばかりなので、高価なグッズはいりません。
日常の素材で作れる手作りおもちゃだからこそ、安心感と笑顔を自然に育むことができますよ。
この記事を書いた人

たかちゃん先生
教材研究が大好きな人
自閉症の子が落ち着く手作りおもちゃ10選!100均でできる安心グッズ
①きらきらスノーボトル
- 小さいペットボトル(R-1の容器など)
- 洗濯のり
- 100均のラメ・ビーズ・スパンコールなど
- 水
- テープ(ふたの固定用)
小さなペットボトルの中に、100均のラメやビーズを入れて、水と洗濯のりを入れれば完成。
洗濯のりの量が多いほど、「ゆっくり動く」スノー効果になります。
ゆっくりふると、中のラメがキラキラ✨キラキラ✨… きらめくラメやビーズが、とってもきれいです。
きらきらスノーボトルは、光のゆらめきがやさしく目を刺激してくれるので、感覚が少し敏感なお子さんや、気持ちが落ち着かないときにとてもぴったりです。
ゆっくり眺めているだけで、ふわっと心が落ち着いていくような心地よさがありますよ。
②ぷにぷにフレーム
「ぷにぷにフレーム」は、手のひらサイズのディスプレイスタンドに、
消臭ビーズややわらかい粘土を詰めて作る、手作りの感触おもちゃです。
- ディスプレイスタンド(ダイソー)
- 消臭ビーズや粘土など
- ビニールテープ(固定用)
ディスプレイスタンドの中に、消臭ピーズや粘土など入れて、開かないようにビニールテープで留めたら完成。
中身をぎゅっと押したり、なでたりすると、なんとも言えない気持ちいい感触。ずっとぷにぷにぷにぷに…としたくなっちゃう。しかも、飾ってても可愛い。
スライムみたいにべたつかないので、汚れるのが苦手なお子さんにもおすすめです。
③風船スクイーズボール
- 風船
- 感触が楽しいもの(小麦粉、お米など)
- 油性ペン(顔などを書く用)
風船の中に、小麦粉やお米など触って感触が楽しいものを入れて、油性ペンで顔を描いたら完成。
握ると、ムニ〜っと形が変わって、離すとゆっくり戻る——この感触がたまりません。
「ぎゅっ」「ムニムニ」という反復の動きは、いわゆる「深い圧」や「固有覚(自分の体の位置・動きを感じる感覚)」に関わる刺激ともつながります。
気分が高ぶっているときや、不安なときにぎゅっと握ると、自然と呼吸がゆっくりになって落ち着いてきますよ。
④きらきらパック
「きらきらパック」は、ふると卵パックの中できらきらのビーズがプルプルと踊りだします。
手の中で光がゆらめいて、まるで小さな宝石箱みたいです。
- 卵パック
- 消臭ビーズ
- テープ(パックの蓋を留める用)
よく洗った卵パックに消臭ビーズをいれて、パックの蓋をテープで留めるだけで完成!
卵パックの中で小さな星たちが踊ってるみたいで、ついつい何度もふりたくなります。
視覚的なリズム刺激が、自然と集中を促してくれるおもちゃです。
家にある材料で簡単に作れちゃうのもメリットですね。
⑤ジップロックでセンサリーバッグ
- ジップロック
- 水
- ラメ・ビーズ・デコレーションボールなど
ジップロックに水とラメ・ビーズ・デコレーションボールなどを入れたらしっかり閉めたら完成。水漏れが心配なので、念のため二重にジップロックをしておくと安心です。
手のひらに伝わる「水のうごき」がぷにぷにとした感触で、まるで静かな波をなでているみたいで、とっても心地いいです。
「視覚」と「触覚」の両方にちょうどいい刺激を与えてくれるので、感覚が敏感なお子さんにもぴったりです。
⑥ストローネックレス
- タコ糸
- 3㎝くらいに切ったストローたくさん
- 画用紙で切った花
3センチほどに切ったカラフルなストローをたくさん用意し、タコ糸に順番に通していきます。
そのあいだに、画用紙で作ったお花や星の形をはさむと、まるでかわいいアクセサリーのようなネックレスになります。
ひとつ通すたびに「できた!」の小さな喜びが積み重なります。気が付くと、もくもくと作業に没頭して静かな時間が流れます。
繰り返しのある作業は、自閉症のお子さんが安心して集中できる時間をつくってくれます。
遊びながら手の巧緻性(こうちせい)を養い、達成感も味わえますよ。
⑦プッシュポップ
- ポコポコスクイーズ(ダイソー)
ポコポコスクイーズ(プッシュポップ)は、ダイソーで売っています。買ってすぐに遊べるのでとてもお手軽です。
ポコッ、ポコン、ぷにっ…押して戻る感触に、ついつい夢中になっちゃいます。ぷにぷに、ポコポコ、ポコン。
もし少し工夫したい場合は、数字を書いたシールを貼ってみてください。ポコポコの穴の数に合わせて、1から順番にシールを貼るだけで、簡単にオリジナルの数字遊びとして楽しめますよ。
⑧無限ぽっとん落とし
- スーパーボールやペットボトルの蓋など
- 牛乳パック
牛乳パックの側面に、スーパーボールやペットボトルの蓋の大きさの穴を空けたら完成。
ポトン、コトン、ポコッ…小さなボールが穴に落ちるたびに、繰り返しのやさしいリズムにとっても安心感がわきます。つい何度もボールを入れたくなっちゃう。
同じ動作を繰り返すことで、予測できるリズムが生まれるので、敏感な子でも安心して遊べます。
⑨磁石とモールのおもちゃ
- 磁石
- 針金入りモール、クリップなど
- 透明なケース(小さいペットボトルなど)
透明なケースに、針金入りモールやクリップなどを入れる。ケースの外から磁石を近づけると、モールやクリップがひっつき虫のように動き出すおもちゃです。
磁石を近づけると、モールやクリップが「ピタッ」「スルスル〜」っと動き出して、まるで生きてるみたい!ケースの中で小さな虫たちが、うにうに、くるくる、踊る姿に、思わず笑顔になっちゃいます。
自閉症の子どもは、視覚や触覚などの感覚刺激に強い関心を示すことが多く、目で見て動きを追う遊びが得意です。
磁石でモールやクリップが動くこのおもちゃは、「見て楽しい」「予測できる動き」で安心感を与え、集中力や感覚の発達をやさしく育ててくれますよ。
⑩ふわとろスライム

スライムは、「手の感覚で落ち着ける」「無心で遊べる」という点で、自閉症の子にぴったりのおもちゃです。
今回紹介するのは、ホウ砂を使わずに作れる安全性の高いスライムなので、安心して遊ぶことができますよ。
- エンジェルクレイ(セリア)
- 重曹スプレー(セリアorダイソー)
- 水100㏄
- 食紅(色をつけたい場合)
ボールの中に、セリアのエンジェルクレイと水100㏄を入れて混ぜます。色をつける場合は食紅も入れる(この時点ではドロドロの状態)
手でこねながら、100均の重曹スプレーを何回か吹きかけて、完全に手につかなくなったら完成。
手のひらで「ぷにゅっ」「ぐに〜」っと伸びるスライムの感触がたまらない!びよ~んと伸びる感触がクセになります。
スライムをさわっているうちに呼吸が落ち着いて、表情がやわらかくなる子も多いですよ。
自閉症の子が落ち着くおもちゃは、高価な療育グッズでなくても大丈夫!
療育グッズや感覚統合おもちゃはたくさん売られていますが、
自閉症の子に合うものは「値段」よりも「安心できる感覚」があるかどうかが大切です。
たとえば、
これらはどれも、自閉症の子が落ち着く手作りおもちゃとして人気があります。
子どもが心地よく感じる感覚(触る・見る・聞く)を満たすだけで、
市販の高価なおもちゃと同じ、あるいはそれ以上の効果を感じられることも多いのです。
大切なのは、高価なものを買うことよりも、お子さんが安心できる感覚を見つけてあげること。
それだけで、家庭が自然と「落ち着ける場所」に変わっていきます。

私のクラスにいた子は、オイルタイマーが大のお気に入りで、静かに夢中で見ていました。ちなみに100均商品なので、高価なものではないです。
自閉症の子が落ち着く:お金をかけずに家庭でできる支援方法
家にある素材で、落ち着く空間をつくる
自閉症の子どもにとって、「落ち着ける空間」はとても大切です。
感覚過敏がある子は、光や音の刺激で疲れやすいため、
家の中で安心できるセーフスペースを作ってあげることが支援の第一歩になります。
たとえば
手作りのおもちゃをそっと置くだけでも、
その場所が「自分の安心できるスペース」だと感じやすくなります。

ポイントは、「静か」「柔らかい」「ゆっくり」の3つ。
音や光、触る感覚をやさしく整えてあげるだけで、子どもの気持ちはぐっと落ち着きやすくなります。
兄弟や家族と一緒に楽しむことで自然な支援になる
「支援」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。
でも、家庭でできる支援の多くは、「遊びながら関わること」です。
たとえば、兄弟と一緒にスライムをこねたり、
パパと一緒に「キラキラボトル」を作ったり。
「見ててきれいだね」「ぷにぷにして気持ちいいね」と声をかけながら遊ぶだけで、
お子さんは共感を感じ、安心して笑顔になります。
自閉症の子は、言葉で気持ちを伝えるのが少し難しいこともありますが、
手作りおもちゃを通して一緒に感じる時間を持つことで、自然と心がつながっていきます。
特別な道具やお金はいりません。
家にあるもので作れる、自閉症の子が落ち着く手作りおもちゃこそ、
家族のあたたかさを感じながらできる、いちばん身近な療育支援です。
まとめ|自閉症の子が落ち着く手作りおもちゃは「愛情でつくる安心グッズ」
自閉症の子どもを育てる毎日は、想像以上に疲れることがあります。
「どうしたら落ち着いてくれるの?」「遊ばせ方がこれで合っているのかな」と不安になることも少なくないですよね。
私も支援学級の初任時代は、毎日悩んでいました。
そんなとき、小さな手作りのおもちゃの1つ1つが、大きなお助けアイテムになることが多かったです。スライムの「ぷにゅっ」、ビーズの「しゃらしゃら」とした感触や音は、子どもの心をやさしく満たしてくれます。
お金をかけずとも、家にあるものや100均で作れるおもちゃで、安心と笑顔を少しずつ育てることができます。
完璧でなくても大丈夫。あなたの手で作った温かさが、何よりの支えになります。
「市販のおもちゃも参考に選んでみたい」という人は、「自閉症の子が夢中になる人気おもちゃ15選」の記事で、おすすめのおもちゃを紹介しています。
これらのおもちゃを使うと、私のクラスの落ち着かない子でも、「あれ?さっきまでバタバタ落ち着かなかったのに、気が付いたら手をとめてじっと見てる」ということがありました。
「うまくいきました」というコメントや、「うまくいきませんでした」というコメントもよければ感想フォームからおくっていただけるとうれしいです。
逆に「うちはこんなおもちゃが、落ち着きます!」というコメントも送っていただけると、今回の記事のリライトに参考にさせていただきます。
今回の記事が、あなたの参考になりましたら幸いです。


